zunra’s diary

すぐ変わる街の風景を残す為のブログだったけど、コロナでどこも行けないので思う事を綴ってます

40代半ばのガンと喫煙について

3年ほど前に同じ職場で働いていた上司の死をFacebook経由で知った。直属の上司では無いが、歳が2,3こ上でほぼ同世代ということもあり、当時はよく飲みに行ったり、仕事中の休憩時間に喫煙所に行こうと誘われたしていた。

「今、なんの仕事してんの?」

と聞かれ、自分の関わる仕事の裏情報を教えてくれたり、ちょっとしたゴシップを話したりしてくれた。いつも笑顔で楽しい人だった。

お金は比較的自由に使えたのだと思う。飲みに行けば多く出してくれたり、時には奢ってくれたりした。

その後、その人は社内の斜陽事業に参画し、少しずつ影が薄くなり、実力がある人だったので、他社に移ってしまった。

その時が最後の会話で

「やめてしまうんですか?」

と聞いたら

「アプリのリリースまで面倒見たからいいでしょ。」

とその時も和やかに言っていた。未練はなといった感じだった。

職場では話すが、プライベートでお会いすることもないぐらいの関係だったので、職場が変われば当然のように疎遠になった。

その後、残念ながらアプリはクローズし、その人の事を知る人は社内でもごく一部となってしまった。

ガンだったそうで、自分は全く知らなかったが2年ほど闘病していたとのことだった。タバコ吸ってたし、お酒も飲んでたし、この結果は仕方ないのかもしれない。

ただ、最後の会話から1年でガンが見つかって、その2年後に亡くなってしまった。あの時はまた会えるだろうと心の何処かで思ってしまっていた。

「酒はともかく、タバコはやめた方がいいです。」

の一言が出なかった。

タバコを吸う人に禁煙を勧めると嫌な顔をされるだけなので、自分は何も言わない事にしていた。自分が言ったぐらいで禁煙出来たら誰もタバコを吸ってない。どうしてもやめられないから困ってしまう。

「WHOの発表でタバコ1本吸うと12分寿命が縮まるそうですよ!」

とか、ちょっと工夫した言い方をした事もあるけど、成果は得られなかった。

死を目の当たりにしないと分からないのだと思う。もっと言えば、残酷だけど、自分がガンにならないとタバコの怖さは伝わらない。

にしても、40代半ばでガンは可哀想だ。人生100年時代を半分も生きられなかった。

昨日、母の日で家族で、ハーゲンダッツのアイスを食べたけど、もうあの人は味わえないのか、とか、テレビのバラエティ番組で笑えないのか、とか、同世代の人がこの世から消えてしまい、そこに自分がまだいられる事が不思議だ。そして、自分も死ぬ可能性があり、しっかり意識して生きないといけないと気付かされた。タバコを吸ったら死んで今の幸せが消える。だった2年で一気に死ぬ事がある。もっと早く死んじゃう方もいるんだろうな。

前にも書いたけど、来世とか天国とかは死んだらどうなるか分からないという恐怖を克服するための嘘である。信じている人があまりにも多く声を大にして言えないけれど、嘘である。

死んだら終わりでその人には会えない。自分はあの人に「安らかに、、、」と言う余裕は、ちょっとないなぁと思う。

それよりも、あの人の教訓を生かして生きていかなければなと思う。

 

この人とは最後の別れになると思ったら

「タバコ、やめた方が良いですよ。」

と、嫌な顔されても言ってやろう。